2017 年 33 巻 2 号 p. 118-122
深部静脈血栓症に併発する肺血栓塞栓症,いわゆるエコノミークラス症候群は,航空機旅行者や地震の被災者など長時間の座位姿勢を強いられる人に多く発生する.本研究では,携帯型加圧スリッパの血栓予防効果を検討した.対象は健常成人10例(男性4例,女性6例)で,着座姿勢における条件を4群に分け,超音波パルスドプラ法による膝窩静脈の最大血流速度を測定した.スリッパを装着して足踏みした群の最大血流速度の平均値は,裸足着座安静群の約22倍,裸足着座足踏み群の約2.6倍であった.コンパクトサイズの加圧スリッパを履いて足踏みすることによって最大血流速度が増加することから,エコノミークラス症候群の発症リスクを低減するための予防対策の1つとして期待できる.