2017 年 33 巻 3 号 p. 146-150
北海道は広大な面積の中で人口が分散した居住環境となっており,医療従事者の地域偏在の格差も加わり,生活環境整備に必要な補装具フォローは地域課題の1つとなっている.地方では人口減少が著しいため,北海道では地域包括ケアシステムにより医療と介護の連携によるフォロー体制が必要不可欠である.不適合状態の装具利用者の発見,情報共有には専門的な知識が必要なため,「装具ノート」等による情報提供,スマートフォンで撮影したデジタルデータの分析が有用と考えている.このようなICTの活用により,広域分散の医療提供体制においても時間·空間的な制約を超え,多職種連携による包括的な補装具フォロー体制の構築が期待できる.