2020 年 36 巻 1 号 p. 2-6
プラスチックは製造方法により様々な性質を持つ.装具に使用されているプラスチックも例外ではなく,同じ種類のプラスチックでも,様々な特徴を持った製品が使用されている.短下肢装具は,他の部位に適合する義肢装具と同様に,使用者の状態,使用目的や求められる機能などを考慮して,プラスチックの種類,厚み,成形方法を選択する必要がある.また今後,3Dプリンタや熱可塑性FRPの導入などにより,さらにいろいろな性質を持つプラスチック利用の可能性がある.本稿では,短下肢装具に用いられるプラスチックのうち,主に熱可塑性プラスチックについて,基礎的な知識,分類方法,性質の違い,成形方法や使用環境と留意点などについて概略をまとめた.