人工筋型動的スプリントの手関節カフの素材と形状の違いが指尖部血流量および筋活動量にどの程度影響を及ぼすのか,比較検討することを目的とした.被検者は男性4例8手,平均年齢は26.2歳であった.脈派測定には,半導体レーザー式組織血流計を用いた.筋電測定はTRIASを用い脱力位にてスプリント実動中と非装着時における手関節掌屈·背屈方向それぞれの60°位にて計測した.結果,5分経過時には背屈方向で,メッシュ型およびウレタン型とも有意に低下していた(p<0.05).掌屈方向では矯正開始後3分,もしくは5分経過時にはメッシュ型で有意に低下していた(p<0.05).EMGに関しては,掌背屈運動ともにメッシュ型で有意に筋活動が高い結果となった(p<0.05).手関節カフの素材と形状の点から考慮すると,人工筋型スプリントを装着する際は2重構造であるウレタン型の手関節カフが推奨される.しかし,ウレタン型であってもDTSaMの構造上背屈方向の血流量は低下しやすい傾向にあるため注意が必要であるといえる.