2021 年 37 巻 1 号 p. 48-55
我々は,2015年に高齢者福祉施設特化型車椅子PS·1を完成させた.その後,複数の高齢者福祉施設でPS·1を用いた臨床介入を行った.PS·1の使用によりADLをはじめとした生活改善を得ることできた一方,PS·1は,開発当初から高さ調整の方法を含め量産に適さない機構であり構造上の大幅な見直しが必要であった.そこで本研究では,PS·1の臨床介入により見えてきた課題の整理を行い量産可能なPS·1改良モデルの開発を行うことを目的とした.結果,改良モデルではPS·1の課題を解決することができたが,デザイン性の大幅な改善が新たな課題となった.