日本義肢装具学会誌
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症例報告
簡易動作解析装置を用いて歩容が改善した大腿義足患者の1例
今井 寛大西 武史大野 篤史
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2023 年 39 巻 2 号 p. 144-146

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抄録

簡易動作解析装置を用いて歩容が改善した大腿義足患者の1例を経験したので報告する.症例:47歳,男性.義足使用後3年,本義足の修理で来所した.股関節の可動域制限を認め,義足立脚期は踵荷重であり両松葉杖が必要であった.簡易動作解析装置(Waltwin®)を用いて重心移動を確認したところ,義足側踵接地後,重心は中足部までしか移動していなかった.また義足での立脚時間は29.9%であった.本装置を用い歩行練習を行った.練習開始後1カ月,義足での立脚時間は39.4%に改善し,重心移動も前足部まで移動できた.簡易動作解析装置は歩行を簡便かつ客観的に評価し,リアルタイムに重心位置を確認しながら患者に指導ができることから,義足患者においても,歩行を改善するために有用なツールとなる可能性がある.

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© 2023 日本義肢装具学会
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