2023 年 39 巻 2 号 p. 147-153
義肢装具の製作においてCADシステムの導入が進められるようになり,CADシステムに組み込まれた有限要素解析も手軽に実施可能な環境が整ってきた.その解析に使用されている線形静解析に関して,留意すべき事項とその理由について解析理論を基に概説した.線形静解析では,歪によらず材料特性一定,変形前後での要素の大きさや傾きの変化を考慮しないという限界がある.また分割した要素の形状や大きさによって解析結果が異なること,切り欠きなど応力集中の発生する特異点においては正確な応力が計算できないことを示した.このため応力の相対的な大小比較評価に使用するのが望ましい.また筆者らの進めている短下肢装具と人体モデルを用いた動的有限要素解析の例についても紹介した.