2024 年 40 巻 1 号 p. 11-18
下肢切断者にとって初めて装着する訓練用仮義足の製作における義足リハビリテーションは重要である.断端成熟に合わせソケットを作り替えることによりリハビリテーションプログラムが滞ることが無いようにする必要がある.そのため適切な断端管理の下に断端成熟の促進が行なわれ,スムーズに義足を装着でき,ストレス無く歩行を獲得することが理想といえる.これには歩行練習を行いながら断端の変化や身体機能の向上に応じて適切な資材を投入して仮義足を製作すること,手術前から退院まで義足装着者に関わる医療従事者が情報共有し,連携することが大切である.断端成熟に対する国内での情報共有も不十分でまとまりもない現状で,仮義足製作過程を交えて義肢装具士の視点で流れと工夫を述べる.