2025 年 41 巻 1 号 p. 41-47
片側大腿切断者の歩行速度を高めるための身体機能を明らかにするため,Medicare Functional Classification Level(以下,MFCL)の中で「K3」以上である高活動な片側大腿切断者の筋力と各種能力の関連性を定量的に検討した.対象は,MFCL「K3」以上の片側大腿切断者46名とした.測定項目は,10 m歩行試験とTimed Up & Go Test, 片脚立位時間,バランスクッション上でHand-Held Dynamometer(以下,HHD)を用いた座位保持能力評価(以下,座位バランス評価),股・膝関節周囲筋群に対してHHDを用いた等尺性筋力評価を実施した.各評価結果の相関分析には,Spearmanの順位相関係数を用いて検討した.結果,片側大腿切断者の歩行速度を高めるための身体機能として,歩幅とケイデンスの増加に必要となる義足側股関節屈筋と健足側股関節伸展・外転筋群が,方向転換動作能力を向上させるためには,健足側の膝関節伸展と股関節内転筋群の強化が重要であることが示唆された.なお,本研究で用いた座位バランス評価は,片側大腿切断者の各種初期スクリーニング検査の可能性が示唆されたが,信頼性と妥当性に課題があるため,今後の検証が必要不可欠である.また,本研究は,義足パーツやアライメント設定などをふまえた総合的な検討には至っていない.