日本義肢装具学会誌
Online ISSN : 1884-0566
Print ISSN : 0910-4720
ISSN-L : 0910-4720
原著
Reverse Omega Shoe Insert(ROSI)と短下肢装具の併用による立脚終期増加要因の検討と歩行パラメータへの影響
森 嘉裕昆 恵介安彦 かがり加藤 雄大春名 弘一
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 41 巻 1 号 p. 48-55

詳細
抄録

我が国における脳血管疾患による片麻痺患者は,重大な歩行障害を引き起こす可能性がある.これに伴い,転倒リスクの増加や日常生活活動の低下が問題となっている.脳卒中片麻痺者の歩行改善には,Rocker機能を補助する短下肢装具(AFO)の使用が効果的であるが,Forefoot Rocker(FFR)を補助する装具は存在しない.本研究は,FFRを補助する新たなシューインサート,Reverse Omega Shoe Insert(ROSI)の効果を調査することを目的とした.脳卒中片麻痺者18名(平均年齢54±8.7歳)を対象に,ROSIの使用による歩行改善効果を三次元動作解析装置を用いて検証した.ROSIは熱可塑性カーボンプレートで成形され,逆Ω構造を有する.この構造により,歩行時の立脚終期(TSt)における踵挙上を支援し,FFRの補助が可能となる.このTStの割合増加要因を偏相関分析を用いて検証した.ROSIと背屈制動AFOの併用により,TStの割合が背屈制動AFO条件に比べ約1.3倍,背屈遊動AFO条件に比べ約1.5倍増加した.偏相関分析の結果から,TStの割合増加には,ROSIや背屈制動付きAFOの使用,歩行速度,進行方向成分の床反力,非麻痺側歩幅,踵挙上時の前方速度最大値が関係していることが明らかとなった.TStの割合増加にはROSIと背屈制動付きAFOの併用が有用であり,ROSIは片麻痺者のFFR機能の補助に寄与する有用なデバイスであることが示された.今後はさらに症例数を増やし,ROSIの適応基準や長期効果についての検討が必要である.

著者関連情報
© 2025 日本義肢装具学会
前の記事 次の記事
feedback
Top