抄録
Back-Up は本来健常者の座位時の腰痛緩和の目的で使用される装具であるが, その構造上障害児・者および高齢者の座位保持の目的での使用が可能である. 脳血管障害, パーキンソン病, 脊椎圧迫骨折, 脳性麻痺, 脊髄損傷の他, 高齢で寝たきりになったような症例で座位が不安定あるいは不可能な患者25例を対象に Back-Up 装着前後の座位の安定性を5段階の評価表を用いて評価した. その結果, 体幹筋の軽度の筋力低下のために座位保持が困難な症例には有効であることが判明した. 従来の座位保持システムに比較して Back-Up は小型軽量安価でスペースをとらず携帯可能であり, 装着も容易で体格を問わないなどの利点がある.