2001 年 17 巻 2 号 p. 135-138
上肢の切断者にとって感覚の欠如は大きな問題である. そこで, 今回, 感覚を補填するフィードバックシステムを考案した. とくに, 視覚などで代償が困難と考えられる温度感覚に対するフィードバックシステムを試作した. この温度感覚を選択したのは, 人との触れ合いの中で他の人の体温を感じることの必要性を認識しているからである. システムは, 切断者の皮膚温と対象物の温度差を直接温度としてフィードバックするものである. 伝達される温度幅は, 熱傷・凍傷の危険のない範囲とした. 試みではあるが, 本システムの実用性を認めることができた.