日本義肢装具学会誌
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下肢反射性交感神経性ジストロフィーに対し大腿切断術が奏功した1例
大澤 傑平林 伸治萩平 有美大島 富雄
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2003 年 19 巻 3 号 p. 238-241

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抄録

20年前の労災事故による左下肢骨折後に生じた70歳男性の左下腿から足部にかけての反射性交感神経性ジストロフィー (RSD) に対し, 大腿切断術を施行し11カ月後に無痛化し得た1例を経験した. 渉猟し得た文献から四肢のRSDに対する切断は, RSD罹患部を含む切断では疼痛残存, 義肢装着不能など成績不良と報告されている. しかし, RSD罹患部より近位側の切断では比較的良好な成績であった. 本例においてもRSD罹患部より近位での切断を行い8カ月後には幻肢消失し, 11カ月後には疼痛も消失した. 健側の片麻痺および高齢のため大腿義足は差し込み式で肩吊り帯, 腰吊り帯を付加し, 固定膝, 単軸足部継手を処方した. 現在片松葉にて安定歩行である.

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