日本義肢装具学会誌
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調整機能付き後方平板支柱型短下肢装具の開発
その概念と基本性能の検討
水野 元実才藤 栄一岩田 絵美岡田 誠寺西 利生伊藤 実和林 正康織田 幸男
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2005 年 21 巻 4 号 p. 225-233

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抄録

機能性と外観性を両立できる「調整機能付き後方平板支柱型短下肢装具 (APS-AFO)」を開発した. 本装具は, 支柱がカーボン製後方平板1枚のため外観性が良好で, 詳細かつ簡単に底背屈運動範囲を調整できるヒンジジョイントを有する. 後方平板支柱の特性を知るため, 装具を背屈させた際の抵抗張力を内外側偏位方向ごとに計測した結果, シューホーン型短下肢装具 (SH-AFO) とは逆に, 足部長軸方向0°で最も低値を示し, 歩行の際, 下腿を進行方向に沿って誘導しやすい特性を有すると思われた. 片麻痺患者1例による装具歩行の検討では, SH-AFO歩行時に比べてAPS-AFO歩行時の足関節周囲のコントロール (内外旋や内外反を抑制し, 底背屈方向の運動だけを一意的に誘導すること) は良好であり, 歩幅と歩行速度も増加し, APS-AFOの満足すべき機能性が示唆された.

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