2021 年 26 巻 2 号 p. 145-152
【目的】日本人若年女性における自己の体型に対するボディイメージ,ボディイメージによる減量行動への影響,BMI,ボディイメージ,減量行動による月経不順への影響を明らかにすることを目的とした.【方法】15~39歳の女性に対し,現在の身長,体重,自己の体型に対するボディイメージ,過去3カ月における減量行動,月経不順の有無,簡易うつ病尺度(QIDS-J)による質問項目についてWebアンケートを行った.得られた回答からボディイメージ別のBMIの分布,BMI·ボディイメージと月経不順発現割合の関係,減量行動へのボディイメージの影響と月経不順への減量行動の影響について統計的に分析した.【結果】解析対象は3,274名だった.年齢,BMIの中央値はそれぞれ26歳,20.1 kg/m2であり,BMI 18.5 kg/m2未満の対象は21.5%だった.自己の体型を「ちょうどよい」と評価する群はBMI 17~21.9 kg/m2に多かった.月経不順の発現割合はBMI 18.5~21.9 kg/m2,自己の体型を「ちょうどよい」と評価する群で有意に低かった(P<0.01).また,ボディイメージは減量行動実施への関連因子だった.減量行動のうち主食制限が月経不順発現の独立変数だった(OR:1.580, 95% CI:1.186-2.106, P<0.01).【考察】日本人若年女性の「ちょうどよい」ボディイメージはWHOの普通体重と比べてやや低BMI側にあることが示された.また,体型をBMI18.5~21.9 kg/m2にコントロールし,「ちょうどよい」というボディイメージを持つ状態が月経不順の発現に対して低リスクであること,ダイエットのために行う主食制限は月経不順の発現リスクとなることが示唆された.