女性心身医学
Online ISSN : 2189-7980
Print ISSN : 1345-2894
ISSN-L : 1345-2894
妊娠期・出産後2年間の女性の心理・社会的状態に関する調査 : 第2報 産褥早期の心理・社会的状態
吉田 安子丸山 知子杉山 厚子須藤 桃代
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 6 巻 1 号 p. 100-107

詳細
抄録

本研究は,妊娠期から産後2年間における女性の心理・社会的状態を把握し,子育て女性の支援について検討することを目的に行っている.本報は第1報に引き続き産褥早期の女性に焦点をあて身体,心理・社会的状態とその要因について報告する.調査は平成12年2月下旬から5月上旬に,札幌市内8ヵ所及び道内7ヵ所の産婦人科・総合病院で実施した.対象者は新婦795名のうち,回答が得られた新婦689名(回収率86.7%)である.調査方法は,入院中の新婦に質問紙を手渡し,留め置き法によって回収した.調査内容は,新婦の心配尺度29項目(丸山),セルフエスティーム10項目(SE),エジンバラ産後うつ病調査票(EPDS)を用い,次の結果を得た.1.褥婦の心配尺度とEPDS間には0.559の正の相関関係が,心配尺度とSE間には-0.405の負の相関関係があった.2.褥婦の心配尺度で高い値を示しだのはIV夫のサポート,Vボディイメージ,ついでVII子どもの心配尺度であった.3.褥婦が援助を受けていた者は実母が最も多く,ついで夫であった.夫の援助がある者と,援助人数の多い者はSEの値が高かった.4.今回の妊娠が計画外であった者は心配尺度とEPDSの値が高く,SEの値は低かった.

著者関連情報
© 2001 一般社団法人 日本女性心身医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top