日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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シロイヌナズナMBF1ホモログの発現解析
*小川 大輔栗原 理恵西内 巧山口 和男
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p. 129

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抄録
 Multiprotein bridging factor 1(MBF1)は、カイコにおいてTATA-box Binding Protein(TBP)とBmFTZ-F1の2つの転写因子を橋渡すように相互作用するコアクチベーターとして機能することが発見された。その後、MBF1ホモログが酵母からヒトまで広く存在することが明らかになり、その中にはコアクチベーターとしての機能が報告されているものもある。しかし、現在までのところ植物においてはMBF1ホモログに関する知見はあまり得られていない。
 我々はシロイヌナズナの根カルス形成時に発現している遺伝子をディファレンシャルディスプレイ法により検出した。その結果、転写制御に関わると推定される遺伝子が複数存在し、その中の1つにMBF1ホモログが含まれていた。また、シロイヌナズナのゲノム中にはさらに2つのMBF1ホモログの存在が示されたため、それらをAtMBF1a、AtMBF1b、AtMBF1cとした。
 これらの3つの遺伝子において、発現の器官特異性をノーザンブロットにより解析したところ、これらは根カルス以外でも様々な器官で発現し、特に花で強いというよく似た発現パターンを示した。さらに詳細な解析のため、それぞれのプロモーター::GUS融合遺伝子を導入した形質転換体を作出し、解析を行った結果、AtMBF1cが傷害に応答することが明らかになった。
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© 2003 日本植物生理学会
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