日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
会議情報

Synechococcusにおけるrbcオペロンの発現調節機構の解析
*高橋 由香里前田 真一小俣 達男
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 149

詳細
抄録
 ラン藻Synechococcus sp. PCC 7942を炭素欠乏条件下におくと、炭酸固定酵素であるRuBisCOをコードしているrbcオペロンの転写が活性化される。このオペロンの炭素欠乏に応答した発現制御機構を調べるために、rbcオペロンのプロモーター領域とVibrio harveyiluxABを連結してルシフェラーゼ活性をモニターする系を構築し、プロモーター領域に塩基置換を導入して炭素欠乏への応答に必要なcis配列を探索した。rbcLの翻訳開始点から数えて、-394から-13の領域をluxABと融合したSynechococcusを用いた結果、炭素十分時(2% CO2)に比べて炭素欠乏時(0.035% CO2)ではルシフェラーゼ活性が12倍上昇した。rbcオペロンの制御領域には、CbbRの認識配列と似た配列が3カ所あるので部位特異的変異を導入した結果、これらの中から炭素欠乏に対する応答に関わるcis制御配列を見出すことができた。このことから、rbcオペロンはCbbR様の調節因子によって制御されている可能性が示唆された。
著者関連情報
© 2003 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top