日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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ゼニゴケY染色体の遺伝情報
*大山 莞爾大和 勝幸石崎 公庸岡田 祥子藤澤 雅樹中山 繁樹藤下 まり子坂東 倫行蓮見 明子坂田 亮子西尾 朋久淀谷 幸平坂東 弘樹
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p. 18

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抄録
 我々は、陸上植物における性の決定・分化に必要な遺伝子群の解明を目指し、雌雄異株植物であるゼニゴケの性染色体について全遺伝情報の解読を行っている。ゼニゴケY染色体は約10 Mbと見積もられ、Y染色体特異的反復配列が蓄積している領域YR1(約4 Mb)と、その他の領域YR2(約6 Mb)に大別できる。YR1については、制限酵素切断パターンの異なる25個の代表PACクローン及び470-kbのコンティグ正味の配列情報を得た。YR2については、全長約5.94 Mbのコンティグ地図から、重なりが最小となる44個のPACクローンを選び、配列解析を行った。YR1より見出された遺伝子はY染色体に複数コピー蓄積しており、YR2より見出された遺伝子はY染色体にのみ存在する単一コピー遺伝子であることが分かり、YR1、YR2それぞれの領域で、遺伝子の存在様式に差異があることを示した。Y染色体とX染色体における遺伝子構造の違いと合わせて、ゼニゴケY染色体およびその遺伝子の進化について考察する。
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© 2003 日本植物生理学会
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