日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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完全長cDNAマイクロアレイおよびDNAチップを用いた低温誘導性転写因子DREB1Aの標的遺伝子群の網羅的解析
*圓山 恭之進春日 美江関 原明篠崎 一雄篠崎 和子
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p. 224

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抄録
DREB1A遺伝子は、低温、乾燥および塩ストレスに関与する遺伝子発現を制御するシス領域であるDRE(Dehydration Responsive Element)配列に結合するタンパク質をコードするcDNAとして単離された。DREB1A遺伝子は、低温ストレス条件下において 誘導される。DREB1A遺伝子を恒常的に過剰発現させた形質転換植物は、低温、乾燥、塩ストレス耐性が向上する。本研究では、DREB1Aによって制御される標的遺伝子を完全長7000cDNAマイクロアレイおよびAffymetrix社製 8000 Genechipをもちいて網羅的に検索した。さらに、DREB1A遺伝子の直接的な標的遺伝子を3つの基準で同定した。(1)標的遺伝子のmRNAの蓄積量は、DREB1A遺伝子を導入した形質転換植物体で上昇する。(2)標的遺伝子のmRNAの蓄積量は、低温ストレス処理後、2から10時間で上昇する。(3)標的遺伝子のプロモーター領域内にはDRE配列が存在する。これらの解析結果からDREB1A遺伝子はストレス耐性に関与する種々の機能をもった遺伝子群を制御していることが明らかになった。
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© 2003 日本植物生理学会
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