日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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アブシジン酸の生合成の鍵酵素をコードするAtNCED3遺伝子を用いた形質転換イネの作出と解析
*桂 幸次伊藤 裕介井内 聖小林 正智篠崎 一雄篠崎 和子
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p. 255

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抄録
ネオザンチン開裂酵素(NCED)は植物ホルモン(ABA)の生合成の鍵酵素として知られれている。シロイヌナズナでは7種類のNCEDからなる遺伝子ファミリーを形成しているが、その一つであるAtNCED3遺伝子は乾燥で強く誘導されることや35Sプロモーターによって過剰発現した形質転換シロイヌナズナが乾燥耐性になることが報告されている。本研究ではシロイヌナズナの遺伝子であるAtNCED3をイネに形質転換し、イネ中での機能を解析した。
AtNCED3遺伝子をトウモロコシのユビキチン遺伝子のプロモーターの下流に結合させたコンストラクトをイネに導入して、AtNCED3を恒常的に発現する形質転換イネを作出した。得られた形質転換体をノザン解析で確認したところ13 lineの形質転換体でAtNCED3の発現がみられた。さらに形質転換体の耐乾燥試験とABAの測定を行った。乾燥試験は発芽後15日間育てた植物体を10日間水を与えずに行ったところ、耐乾燥性を持つ植物体が得られた。一方、植物体中のABAの量の上昇がみられる植物体も見いだされた。現在さらに解析を進めている。
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© 2003 日本植物生理学会
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