抄録
我々は、相同組換えによりWaxy遺伝子の第1イントロン内にHmr(Hygromycin耐性)遺伝子と転写終止領域を挿入し遺伝子破壊するターゲティングに成功し、ヘテロ型でWaxy が破壊された6系統のイネを独立に作出し、ウルチからモチへの表現型やSouthern解析の結果を昨年の本大会で報告した。今回は、後代植物の相同組換え領域のゲノム構造を解析した。従来植物の相同組換えでは、導入ベクターの相同遺伝子領域がゲノム遺伝子のコピーと組換えを起こした後にランダムに挿入されるectopicな組換え、遺伝子ターゲティングのために必要な導入ベクターの2つの相同領域の内の一方で組換えが起こり、他方は非相同組換えが起きたOne Sided Invasion (OSI)、相同組換えとともに導入ベクターの選抜マーカーが非相同的組換えによりゲノムに挿入するectopicな挿入などを起こした形質転換体が得られている。そこで、次世代のWaxy破壊ホモ個体等を分離して表現型、Waxy領域の上流と下流を含む35kbのSouthern解析、組換え領域17kbの全塩基配列決定を行った。その結果、今回得られたターゲティング個体では、従来報告されたectopicな組換えや挿入は観察されず、1対のWaxy遺伝子中の片方だけで極めて正確な相同組換えによるターゲティングが起こって次世代に伝達されたことが明らかとなった。