日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
会議情報

オオムギ胚乳由来イソアミラーゼ蛋白質の解析と遺伝子の単離
*吉岡 光江小松 晃加藤 常夫小前 幸三
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 284

詳細
抄録
 澱粉の主要構成成分であるアミロペクチンは、可溶性スターチシンターゼ(SSS)、スターチブランチングエンザイム(SBE)及びスターチデブランチングエンザイム(DBE)の作用によって合成されることが知られている。特にDBEであるイソアミラーゼ(ISA)とプルラナーゼ(PUL)はマルチプルクラスター構造の構築に不可欠であるとされている。本研究では、我々はオオムギDBEのうちISAに着目して特性解析を行った。
 オオムギ胚乳より精製したISAは、SDS-PAGEの結果、80kDaと 85kDaの2本のバンドが検出されたことから、分子量の異なる2種類の蛋白質で構成されることが判った。さらに、それぞれのN末端および内部の部分アミノ酸配列が異なること、また免疫化学的な解析結果から、オオムギ胚乳由来のISAは2種類のサブユニットからなるヘテロオリゴマーを形成することが示唆された。ISAの 80kDaおよび85kDaサブユニット蛋白質をコードする遺伝子は、オオムギの出穂後2週目の未熟種子由来cDNAライブラリーから単離された。これらcDNAの塩基配列を決定し相同性を比較した結果、47パーセントの相同性であり、異なる機能を有する遺伝子であることが考えられた。
著者関連情報
© 2003 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top