抄録
我々はポストシーケンシング時代の遺伝子の機能解析において重要であるシロイヌナズナ完全長cDNAや挿入変異体といったリソースの整備とそれに関するデータベースの作製を進めてきた。完全長cDNA全長塩基配列決定に関しては、アメリカのSSPグループと共同し、2002年12月現在12,189クローンの全長塩基配列を決定した。また、単離した完全長cDNAクローンの5'末端塩基配列をゲノム塩基配列と比較することにより、プロモーター配列情報を獲得し、プロモーターデータベースも構築した。このプロモーターデータベースをシロイヌナズナ完全長cDNAマイクロアレイの解析結果と組み合わせ、網羅的な発現情報の基本データベースの作製を目指し進めている。さらに、Dsトランスポゾン挿入変異体データベースを作製しており、機能解析やフェノーム解析の基本となるべく進行中である。
これらのデータは、理研ゲノム科学総合研究センター・植物ゲノム機能情報研究グループのウェブサイト(http://pfgweb.gsc.riken.go.jp/)から提供してきた。現在、データ提供だけでなく検索サービス等を拡張した新規データサイトの公開準備を進めている。本発表では、我々のグループが作製してきたデータベース、ウェブサイトについて述べる。