日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
会議情報

AGL24 過剰発現植物体を用いた AGL24 の機能解析
*竹村 美保藤田 秀知落合 春奈横田 明穂河内 孝之
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 436

詳細
抄録
 MADS-box タンパク質をコードする AGL24 は、これまでの解析から花成前後の茎頂で主に発現することがわかっている。AGL24 遺伝子の機能を明らかにするために、AGL24 過剰発現植物体を作出した結果、早咲き・ガクや花弁の葉様化・器官脱離の欠損といった多面的な表現型を示し、AGL24 が花の発生に関わる可能性が考えられた。表現型をさらに詳細に解析したところ、これらの植物体は、長日・短日条件いずれにおいても野生型と比較して早咲きになるが、長日の方が短日よりも依然として早咲きとなった。また、ガクや花弁の葉様化は ap1 に類似した表現型であるが、ノザン解析の結果、過剰発現植物体でAP1 の発現減少が認められた。AGL24 過剰発現が、様々な遺伝子の発現に影響を及ぼしていることが考えられたので、マイクロアレイ解析ならびにノザン解析により、AGL24 過剰発現植物体の遺伝子発現について調べた。その結果、AP1 に加えてputative auxin-regulated geneなどの発現減少が認められた。また、AGL24 過剰発現体と ap1, lfy, co などとの交配を行い、AGL24 過剰発現が花の発生のどの段階に影響を及ぼしているのかを調べている。本大会では、これらの結果をもとに、AGL24 の機能について考察する。
著者関連情報
© 2003 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top