日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
会議情報

RNAiの機構に依存したイネのシュート形成
*佐藤 豊伊藤 純一佐藤 奈美子伊藤 百代芦苅 基行長戸 康郎松岡 信
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 483

詳細
抄録

 頂端分裂組織は胚発生の過程で形成され発芽後は植物の形態形成の主要な場となる。頂端分裂組織の形成およびその機能維持機構の解明は植物の形態形成を理解する上で重要な課題である。本研究では、頂端分裂組織の形成およびその機能維持の機構を明らかにするために、イネの胚発生突然変異体shoot organization1 (sho1)およびshootless2 (shl2)の遺伝子単離を行った。sho1は胚発生の段階で頂端分裂組織が扁平な形態を示し、それに伴い葉の形態や葉序が異常になる幼植物体致死の変異体である。また、shl2は胚発生で頂端分裂組織が特異的に欠損する変異体で胚発生致死である。最近、表現型の弱いshl2変異体を新たに単離したところsho1変異体と極めて類似した幼植物体致死の表現型を示すことが明らかになり、SHO1遺伝子とSHL2遺伝子は非常に密接した過程に関与していることが予想さた。遺伝子単離の結果、SHO1遺伝子およびSHL2遺伝子はともにRNA interference (RNAi)の機構に関連したタンパクをコードすることが明らかになった。このことから、イネのシュート形成およびその維持にRNAiと一部類似したメカニズムが働いていることが予想された。

著者関連情報
© 2003 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top