日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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サーモグラフィーを用いたアラビドプシス高温突然変異体の単離
*橋本 美海射場 厚
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p. 497

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抄録
CO2は濃度依存的に気孔の開閉を誘導する因子であり、例えば低CO2条件下では気孔は開口し蒸散量が上昇し葉面温度が低下する。このような植物におけるCO2感知のメカニズムを調べるために、CO2濃度依存的な葉温変化に異常をきたしたアラビドプシス突然変異体を単離した。このうち野生株よりも高温を示す2つのht 変異体(high leaf temperature mutant)について現在解析をおこなっている。ht1 変異体はCO2濃度の上昇に対し過敏な葉温変化を示し、ht2 変異体はCO2濃度変化にあまり依存せず常に高温を示す。また、見た目の表現型もht1ht2 では異なりht1 は野生株と区別がつかないのに対しht2 は花軸が短く、成長が遅い。マッピングによる解析の結果ht1 は1番染色体に、ht2 は5番染色体に位置することが明らかとなった。ht2 は引き続き詳細なマッピングを進めているところであり、ht1 は絞り込んだ候補遺伝子の相補性検定を行っているところである。更なる表現型の解析についても報告を行う。
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© 2003 日本植物生理学会
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