日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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シロイヌナズナの根におけるNH4+同化を担うグルタミン合成酵素 (GS)及びグルタミン酸合成酵素(GOGAT)分子種の同定
*石山 敬貴井上 恵理高橋(渡部) 晶子小島 創一山谷 知行高橋 秀樹
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p. 61

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抄録
高等植物において、NH4+の有機化反応はGS/GOGATサイクルを介して行われる。シロイヌナズナのゲノムには複数のGS、GOGAT分子種がコードされている(GS1;Gln1;1-1;5, GS2; Gln2, Fd-GOGAT; Glu1, Glu2, NADH-GOGAT; Glt1)。これらの分子種は、固有の発現特異性を示し、互いに共役しNH4+の同化を担うことが推測されている。
本研究では、シロイヌナズナにおけるGS及びGOGATの生理機能の解明を目的とし、第一段階として、根で吸収されたNH4+の同化に関わるGS及びGOGAT分子種の同定を行った。定量的real-time PCRを行った結果、NH4+の供給後、GS1分子種であるGln1;2 及びNADH-GOGATであるglt1 mRNAの蓄積量が特異的に増加することが明らかとなった。特に、Gln1;2 mRNAの蓄積量は、他のGS分子種mRNAより10倍以上も高い値を示した。さらに、プロモーターGFP解析の結果より、Gln1;2及びGlt1遺伝子が、NH4+の吸収に重要とされる表皮または皮層細胞において発現していることが示された。これらの結果は、Gln1;2Glt1にコードされるGS1/NADH-GOGATが共役し、根にけるNH4+の同化を担っていることを示している。
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© 2003 日本植物生理学会
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