日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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ライムギ根マイクロソ-ム膜のフルクト-ス輸送機構
*葛西 身延桑田 亜紀子澤田 信一
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p. 79

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抄録
 水耕栽培したライムギの根からマイクロソ-ム膜小胞を調整し、これをフルクト-スを含むmediumに入れ、膜小胞内にフルクト-スを飽和まで取り込ませた。このmediumにMg2+あるいはATPを付加し、一定時間後、mediumをゲルろ過し、ろ液に含まれる膜小胞内のフルクト-ス量を測定した。Mg2+とATPのみの付加は、膜小胞内のフルクト-ス量にほとんど影響を与えなかった。一方、Mg2+とATP両方の付加は膜小胞内のフルクト-ス量を低下させた。膜小胞内のフルクト-ス量に及ぼす種々のヌクレオチドの付加の影響を調べた結果、ATPが最も膜小胞内のフルクト-ス量を低下させることが示された。Mg2+とATPに依存したこの膜小胞内から膜小胞外へのフルクト-スの輸送は、プロトノフォア-によってほとんど影響を受けなかった。一方、この輸送は、ヴァナジン酸によって阻害された。このフルクト-スの輸送活性を、種々の濃度のフルクト-スで平衡化した膜小胞を用いて測定した結果、ミカエリス-メンテンタイプのkineticsが示された。実験に使用したmediumの中には、プロトンポンプによるプロトンの輸送を促進するアニオンは含まれていない。これらの結果は、この膜小胞に、プロトンの濃度勾配に依存しない、Mg2+とATPに依存したフルクト-ス輸送機構が存在することを示唆する。
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© 2003 日本植物生理学会
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