日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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新規イネカルシウムチャンネルの機能解析
*橋本 研志斉藤 美佳子松岡 英明飯田 和子飯田 秀利
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p. 80

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抄録
 我々は、イネ培養細胞(Oryza sativa L. japonica cv. Nipponbare)にエリシターまたは電気的刺激(30V, 30sec)を作用させることで、細胞外から細胞内へのCa2+流入により細胞内Ca2+濃度が一過的に上昇し、これがトリガーとなってキチナーゼ遺伝子が発現することを明らかにしている。また、このCa2+流入には、阻害剤などを用いた実験から電位依存性Ca2+チャンネルが関与していることも明らかにしている。そこで本研究では、イネCa2+チャンネル遺伝子をクローニングし、その機能を解析することを目的とした。
 Arabidopsis thaliana由来電位依存性Ca2+チャンネルAtTPC1の配列をもとに、RT-PCRによるクローニングを行った結果、新規のイネCa2+チャンネル遺伝子(OsCC1:2791bp)が得られた。このOsCC1は、AtTPC1とアミノ酸レベルで高い相同性(70%)を示している。そこでOsCC1タンパクの機能を解析するために、OsCC1を酵母のCa2+チャンネル欠損株に導入し、45Ca2+の取り込み能を測定した。その結果、コントロールと比べて有意にCa2+の取り込みが認められ、OsCC1がCa2+チャンネルであることが示唆された。
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© 2003 日本植物生理学会
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