抄録
本報告では,快適なアンビエント空間を創出するためのエージェントシステムを,意思決定モデルに基づいて設計,開発する手法について考察する.モデルは以下の三つのモジュールから構成される.一つめのモジュールは,アンビエント空間システムとインタラクトするユーザの状況を,各種センサ値から推定するモジュールである.二つめは,現況に対するシステム目線とユーザ目線からの評価値を統合するモジュールである.三つめは,現況のもとでシステムがある操作を実行した際の変化予測の面と,操作実行に伴うコストの両面からユーザに与える効用を最大にする操作を決定するモジュールである.