日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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オオシャジクモの“受容器電位”には機械刺激感受性カルシウムチャンネルが関与する
*菊山 宗弘斉藤 知幸金子 智之
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p. 83

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抄録
シャジクモ類では細胞質の急速水和により、細胞内貯蔵庫からの Ca2+ 放出が起こる。これは貯蔵庫膜の浸透的膨潤によって Ca2+ チャンネルが活性化されるからである(機械刺激感受性 Ca2+ チャンネル)。
新免によれば、シャジクモ細胞は機械刺激によって“受容器電位”を発生する。我々は、この“受容器電位”発生への機械刺激感受性 Ca2+ チャンネルの関与の有無を検討した。機械刺激は、節間細胞を“たたく”ことによって行った。
細胞外液から Ca2+ を取り除くことは、“受容器電位”を可逆的に阻害した。機械刺激は“受容器電位”の発生と同時に細胞内 Ca2+ レベルの一過性の上昇を引き起こした。さらにこれらの強度は共に機械刺激の強度に依存して大きくなった。これらのことから、シャジクモ細胞における機械刺激の受容には、機械刺激感受性 Ca2+ チャンネルが関わっていると結論した。
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© 2003 日本植物生理学会
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