日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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シロイヌナズナ完全長cDNAエンサイクロペディアの作製と遺伝子の機能・発現解析への利用
*関 原明石田 順子佐藤 将一櫻井 哲也中嶋 舞子槐 亜希子神谷 麻子秋山 顕治飯田 慶鳴坂 真理大野 陽子藤田 美紀水門 佐保楠城 時彦梅澤 泰史亀井 綾子藤 泰子篠崎 和子Joseph R. EckerRonald W. DavisAthanasios TheologisPiero Carninci河合 純林崎 良英澤崎 達也金 鍾明長谷川 嘉則遠藤 弥重太横山 茂之篠崎 一雄
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p. 86

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抄録
我々は6年前より、ポストシーケンシング時代において、遺伝子の機能解析において完全長cDNAが重要になると考え、シロイヌナズナ完全長cDNAの単離を進めてきた。これまでに、種々のストレス・ホルモン処理した植物体や種々の発生段階の植物体などを出発材料する19種類のシロイヌナズナ完全長cDNAライブラリーを作製し、約15万個のcDNAクローンを単離した。それらをクラスタリングすると約15,000個の独立したcDNAグループに分類された。  
我々は、また、これまでに単離したシロイヌナズナ完全長cDNAを用いてマイクロアレイを作製し、種々のストレス応答性遺伝子や転写因子のTarget遺伝子の同定に関する研究を進め、完全長cDNAマイクロアレイ解析は、1)種々のストレス誘導性遺伝子やストレス耐性に関与する転写因子のTarget遺伝子を調べる有効な方法であること、また、2) マイクロアレイの発現Dataをゲノム配列Dataと組み合わせることにより、マイクロアレイ解析で同定した遺伝子のプロモーター中に存在するシス配列を検索する有効な方法であることを示した。
さらに、無細胞タンパク質合成系を用いて完全長cDNAからタンパク質を合成し、植物特異的な転写因子やシグナル伝達に関わる因子などのタンパク質機能や3次元構造の解析も進めている。
今回の発表では、我々の進めているシロイヌナズナ完全長を用いた遺伝子の機能解析の現状と今後の予定について説明する。
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© 2003 日本植物生理学会
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