抄録
オーストラリアのMacquarie 大学で考案された当初のプロテオーム解析は、二次元電気泳動でタンパク質を分離し、これをゲル内で消化し、質量分析に掛けてペプチドマスフィンガープリントを得、データベースを検索することによってタンパク質を同定するというものであったが、その後キャピラリー電気泳動法やセンサーチップ表面親和クロマト法、二次元HPLC法など様々な方法が用いられるようになっている。そもそもプロテオーム情報は、特定の生物個体が、生涯のどこかの時期に、いずれかの組織細胞において発現する全てのタンパク質の構造、機能、発現動態、翻訳後修飾、分解、局在、相互作用、細胞生理学的意義および病理学的意義など、およそタンパク質に関する全ての情報であり、いずれは膨大な情報量となる。その膨大な情報の中から、必要な時に必要な情報を取り出し、有効に利用できるようにしておくためには、今のうちにプロテオーム情報をデータベース化しておく必要がある。プロテオームデータベースの構築は、(1) それぞれのパソコン上に置き、研究者が自己の研究記録として利用するもの、(2) イントラネットサーバー上に置き、グループ内の複数の研究者が情報を共有するためのもの、(3) インターネットサーバー上に置き、全ての研究者で情報を共有するためのものの3つの階層に分けて考える必要があるが、それぞれに最適なソフトウエアが使用となる。