2021 年 82 巻 2 号 p. 441-449
症例は57歳,女性.腹痛を契機に他院より紹介となり,CTで先天性胆道拡張症と診断し,待機的に肝外胆道切除術を施行した(出血量759ml,術中輸血なし).術前には貧血や凝固異常を認めていなかった.3POD,急激な貧血の進行を認め,CTで腹腔内出血が判明し再手術を行った.腹腔内に多量の血腫を認めたが,出血点は判然としなかった.帰室直後にドレーン刺入部から再出血を認め,再手術を行い皮下からの出血を焼灼止血した.4POD,再出血に対し,さらに2回の再手術を行った.凝固第VIII因子活性低下およびAPTTクロスミキシング試験より後天性血友病が疑われる所見であり,第VIII因子インヒビター陽性により後天性血友病Aと診断確定した.創部・消化管などから重篤な出血が続き,創部血腫による著しい創部離開や腸瘻も併発し治療に難渋したが,陰圧閉鎖療法,内視鏡的止血術なども併用し何とか寛解を得た.