日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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植物の成長と塩感受性に関与するカリウムとナトリウムの輸送制御
加藤 靖浩佐藤 陽子*魚住 信之
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p. S75

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抄録
植物細胞内の主要イオンのKは生体膜電位や浸透圧の調節に関与し、K輸送体遺伝子の変異は植物の成長を阻害する。植物のK輸送系はKチャネルと2種類のKトランスポーター(HKT系とKUP/KT/HAK系)に分類される。Kチャネルはイオン透過孔と膜電位センサーで構成される。膜電位センサーは疎水度を利用した通常の膜貫通構造形成とは異なる膜への組込み機構で立体構造が形成される(Sato et al. PNAS 99, 60, 2002)。KチャネルとHKT系トランスポーターのイオン選択孔は類似の構造をとり(Kato et al. PNAS 98, 6488, 2001)、それらのイオン透過孔にはK選択性に必要なGlyが存在する(Maser et al. PNAS 99, 6428, 2002)。シロイヌナズナのHKT系トランスポーターAtHKT1はK輸送体ではなくNaを選択的に透過する輸送体としてその遺伝子は単離された(Uozumi et al. Plant Physiol. 122, 1249, 2000)。植物の塩害の抑制に重要なNa排出系Na/HアンチポーターSOS1の調節因子の変異をAtHKT1の変異が緩和すること(Rus et al. PNAS 98, 14150, 2001)、AtHKT1遺伝子破壊株ではNa蓄積による塩害が生じること(Maser et al. FEBS Letters 531, 157, 2002)から、未知であった植物内のNa輸送をAtHKT1が担っていることが明らかとなってきた。
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© 2003 日本植物生理学会
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