日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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硫酸イオン輸送とトランスポーターの機能分化
*高橋 秀樹
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p. S74

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抄録
膜に局在する硫酸イオントランスポーターは、土壌中からの硫酸イオンの吸収と植物体内での輸送を司る。本シンポジウムでは、硫酸イオンの吸収及び器官間、細胞間輸送に機能するシロイヌナズナの硫酸イオントランスポーターについて紹介する。シロイヌナズナには14種の硫酸イオントランスポーターが存在するが、それらは輸送活性が異なるだけでなく細胞特異的に発現し機能する。根の表皮、皮層、根毛に局在するSultr1;1 、Sultr1;2 は外界からの硫酸イオンの吸収を司る高親和型トランスポーターである。Sultr1;1Sultr1;2 のT-DNA 挿入変異体は著しい生育不良を示す。ジーンチップ解析により、硫黄栄養を制限した野生株と同様、sultr1;2変異体が硫黄欠乏症状をひきおこすことが示された。すなわち、Sultr1;2 が根における硫酸イオン吸収に中心的な役割を果たすことが示唆された。細胞内では硫酸イオンは液胞に蓄積する。 T-DNA 挿入変異体の解析からSultr4;1 、 Sultr4;2 が液胞からの硫酸イオンの排出に関与することが示唆された。Sultr4;1 、 Sultr4;2 は液胞膜に局在し、T-DNA 挿入変異体では野生株と比較して硫酸イオン蓄積量の増加と、グルタチオン蓄積量の減少がみられた。
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© 2003 日本植物生理学会
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