日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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好熱性ランソウThermosynechococcus elongatus BP-1のフィトクロム候補の機能解析
*星 章子近藤 陽一大西 賢司沓名 伸介眞鍋 勝司
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p. 075

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抄録
 ランソウにはフィトクロム(類似)遺伝子が存在し、細胞内でタンパク質として発現していることが確認されている。遺伝子破壊株の観察より、そのいくつかは走光性の光受容体として働いていることが示唆されている。しかし多くのフィトクロム(類似)遺伝子のランソウ細胞内での機能については未だ明らかではない。
 2002年に全ゲノム配列が公開された好熱性ランソウThermosynechococcus elongatus BP-1のフィトクロム候補は、データベース(CyanoBase)ではtll0569、tll0899、tlr0911、tlr0924、tlr1999の5ORFがあげられている。しかし、この候補の中に高等植物フィトクロムとドメイン構造が類似しているものはなかった。tll0569遺伝子(SepixJ)は、Synechocystis sp. PCC6803で正の走光性の光受容体として報告されているpixJ1(sll0041)と相同性が非常に高く、pixJ1と同様に近傍遺伝子とクラスターを形成している。また、金コロイド抗体法によりこの遺伝子から造られるタンパク質は桿状ランソウ細胞内の両端の細胞膜に局在していることも明らかになっており、光受容体として働いているのではないかと推察されている。
 本研究ではTll0569タンパク質を発色団共発現型大腸菌で発現し、その機能について解析した。また遺伝子破壊株の走光性の観察からランソウ細胞内での機能について、他のフィトクロム候補遺伝子の結果も交えて報告する予定である。
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© 2004 日本植物生理学会
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