日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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遺伝子発現解析からみたシロイヌナズナペルオキシソームの機能変換
*鎌田 知江林 誠西村 幹夫
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p. 122

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抄録
(目的)高等植物のペルオキシソームは、細胞の機能状態に応じて機能変換することが知られており、私達はトランスクリプトーム解析からグリオキシソーム、子葉ペルオキシソーム、緑葉ペルオキシソーム、根ペルオキシソーム、特殊化していないペルオキシソームの5種に分類できることを明らかにした1)。発芽過程では、光照射により同一細胞内で直接的にグリオキシソームから緑葉ペルオキシソームへの機能変換がおこるが、その機構は明らかになっていない。私達は光照射で誘導されるペルオキシソーム機能変換過程を詳細に解析するため、マイクロアレイを用いた網羅的な遺伝子発現解析を行った。
(結果)シロイヌナズナを4日間暗所で生育後、2、6、12、24時間連続光を照射した子葉での遺伝子発現パターンを調べた。この結果、既知のグリオキシソーム酵素遺伝子や緑葉ペルオキシソーム酵素遺伝子の光に応答した発現パターンと、同様の発現パターンを示す未知のペルオキシソームタンパク質の遺伝子が得られた。一方脂肪酸b-酸化系を欠損する突然変異体についても同様に、光照射に対する遺伝子発現パターンを解析したところ、未知のペルオキシソームタンパク質の遺伝子で、光に対して野生型とは異なる発現パターンを示すものが存在した。これらの結果をもとに、光依存的なペルオキシソーム機能変換の遺伝子発現制御について考察する。
1) PCP 2003 in press
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© 2004 日本植物生理学会
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