日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

シロイヌナズナペルオキシソーム形成突然変異体 apm2 は PTS1 および PTS2 輸送効率が低下している
*真野 昌二中森 ちひろ二藤 和昌近藤 真紀西村 幹夫
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 123

詳細
抄録
高等植物のペルオキシソームは、脂肪酸代謝、光呼吸など種々の重要な機能を担っているオルガネラである。我々は、緑色蛍光タンパク質 (GFP) に peroxisome targeting signal 1 (PTS1) を付加することにより、ペルオキシソームが可視されたシロイヌナズナ形質転換体を親株として EMS により変異処理を行い、GFPの指標としたスクリーニングから、ペルオキシソーム形成が異常になったapm (aberrant peroxisome morphology) 突然変異体を多数選抜し、ペルオキシソームの形成機構の解析を進めている。
apm2突然変異体は、GFP蛍光がペルオキシソームのみならず、サイトソルでも検出されることからペルオキソームへの PTS1 経路の輸送効率が低下した変異体であると考えられる。興味深いことに、この変異体では PTS2 輸送経路の効率も低下していることが明らかとなり、APM2 タンパク質は両輸送経路の共通な因子であることが予想された。マッピングの結果、APM2 遺伝子は、ペルオキシソーム形成に関与するとされる PEROXIN13 (PEX13) に相同性のあるタンパク質をコードしていることが明らかとなった。免疫電子顕微鏡観察の結果、PEX13 タンパク質はペルオキシソームに局在し、また、酵母2 ハイブリッドの結果から、PTS2 レセプターである PEX7 と相互作用することが明らかとなった。
著者関連情報
© 2004 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top