日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シアノバクテリアSynechococcus sp. PCC 7942の概日位相調節変異の原因遺伝子cmpRの同定
*沓名 伸介高橋 由香里田中 洋充仲野 謡子片山 光徳近藤 孝男石浦 正寛眞鍋 勝司小俣 達男
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p. 171

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抄録
pex 遺伝子は概日時計の周期を延長する機能を持っており、その発現は暗期で誘導される。このことからpex の発現調節経路の存在が考えられた。そこでpex の生物発光レポーター株をつかって、pex 発現の突然変異体をスクリーニングした。その結果発光とpex mRNAレベルが共に強い突然変異体を得ることができた。変異の原因であると考えられるカナマイシン耐性遺伝子は重炭酸塩のトランスポーターの遺伝子群を調節する転写因子CmpRをコードするcmpR (小俣ら2001)を遺伝子破壊していた。変異体のリズムの位相は野生型のものより6時間後退していたが、この変異表現型はcmpR 遺伝子断片による形質転換体では正常に戻ることが確認できた。また、この変異体のpex 遺伝子を破壊して得られたcmpR /pex 二重遺伝子破壊体のリズムは野生型に近付いたので、cmpR 破壊体のリズム異常にはpex 発現が必要であることが暗示された。これらの結果から、cmpRpex は同じ経路で概日振動体を調節していると考えられる。
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© 2004 日本植物生理学会
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