日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナのnef1雄性不稔変異体の解析
*有泉 亨畠山 勝徳日向 康吉稲継 理恵西田 生郎佐藤 修正加藤 友彦田畑 哲之鳥山 欽哉
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p. 187

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抄録
T-DNAタギングにより、新規のシロイヌナズナの雄性不稔変異体を単離した。この変異体では一核期から小胞子の崩壊が始まり、開花期には完全に花粉が消失した。透過型電子顕微鏡を用いてWTと変異体のエキシンの発達過程を調べたところ、変異体ではエキシンの構成要素であるスポロポレニンの付着の足場となるプライムエキシンがほとんど形成されないことが明らかとなった。またエキシンの構成要素であるスポロポレニンは作られるが、小胞子の細胞膜に付着することはなかった。細胞膜に付着できないスポロポレニンは凝集し、顆粒様の構造となった。その結果、変異体ではエキシンが形成されなかった。この表現型よりnef1(no exine formation 1)変異体と名付けた。nef1遺伝子をクローニングしたところ、既知の遺伝子とは相同性を示さず、新規の遺伝子と考えられたが、膜タンパク質やトランスポーター様の遺伝子とかすかな相同性を示した。発現解析の結果、nef1遺伝子は花序で強く発現し、葉では弱く発現していることがわかった。ここではNEF1タンパク質の機能について考察した。
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© 2004 日本植物生理学会
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