日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナにおける青色光に依存したphot1と14-3-3蛋白質の結合
*井上 晋一郎木下 俊則島崎 研一郎
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p. 228

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抄録
青色光受容体フォトトロピンは、高等植物において光屈性, 葉緑体定位運動, 葉の展開, 気孔の開口等の反応に関与する。最近我々は、ソラマメ孔辺細胞においてリン酸化されたフォトトロピンに14-3-3蛋白質が結合することを明らかにした。本研究では、シロイヌナズナを用いてフォトトロピン(phot1, phot2)と14-3-3蛋白質の結合について解析を行った。組換え14-3-3蛋白質をプローブとしたFar Western 解析により、黄化芽生え, 緑葉, 孔辺細胞のすべてにおいて青色光照射開始から1分以内にphot1への14-3-3蛋白質の結合が示された。結合の半飽和に必要な青色光強度は7.2 μmol m-2 s-1 (30 秒)であった。また、14-3-3蛋白質の特異的抗体を用いて免疫沈降を行うと、青色光に依存して14-3-3蛋白質とphot1は共同沈降し、これらが細胞内でも結合していることが示された。一方、フォトトロピンのアイソフォームであるphot2には、どの強度の青色光照射によっても14-3-3蛋白質の結合は見られなかった。これらの結果は、14-3-3蛋白質は青色光に依存してphot1に特異的に結合し、この結合はphot1に制御される反応において共通の現象であることを示唆している。さらに、phot1の様々な断片を大腸菌で発現させてFar Western 解析を行い、14-3-3蛋白質の結合部位がLOV1とLOV2の間の領域にのみ存在することを明らかにした。
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© 2004 日本植物生理学会
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