抄録
【目的】これまでに植物において、ストレス耐性や防御に関連する多くの遺伝子が選択的スプライシング機構による転写後発現調節を受けることが明らかになっている。シロイヌナズナにはスプライシング制御因子の一つであるSRタンパク質ホモログが19種類存在しており、それらのいくつかは植物特有のスプライシング機構の制御に関与していると予想される。そこで本研究では、植物のスプライシング制御機構を明らかにすることを目的としてシロイヌナズナSRタンパク質ファミリーの機能解析を試みた。
【方法・結果】種々のストレスに対する応答性をノーザンブロッティングにより検討した結果、いくつかのSRタンパク質(SR41.2、SR34/SR1、RS31.1、RSZ33、SC33.1、SC35.1、)が強光(1600 μE/m2/s)、パラコート(3 μM)および塩(250 mM)処理によって発現誘導された。特に、強光に対してSR41.2の発現が最も迅速に誘導された。SELEX法による解析の結果、SR41.2はGTTT繰り返し配列を認識することが明らかになった。現在、ストレス誘導性SRタンパク質を過剰/抑制発現させた形質転換シロイヌナズナを用いて、in vivoでのスプライシング解析および二次元電気泳動によりそれぞれのターゲット遺伝子の同定を試みている。