日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ねじれを引き起こすチューブリン変異の解析
*石田 喬志金子 弥生橋本 隆
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p. 345

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抄録
微小管構造は全ての真核生物でほぼ共通である。すなわち、αチューブリンとβチューブリンが安定なヘテロ二量体を形成し、これが縦につながって微小管原繊維が形成され、原繊維が通常13本横に束ねられて中空の微小管となる。微小管の構造と動態には、二量体内と二量体間の縦方向のα-β相互作用、及び原繊維間の横方向の相互作用が重要である。これまで我々は左巻きねじれ変異株lefty1lefty2が二量体内のα-β接触部位のアミノ酸置換により、不安定な微小管を形成するdominant negative変異であると報告した。
 今回、微小管重合阻害剤に対して高感受性を示す変異株を多数スクリーニングすることにより、チューブリン変異とねじれ形成との関係を詳細に調べた。その結果、二量体内のα-β接触部位の左巻き変異が新たに3種得られた。二量体間の接触部位の変異は右巻きが4種、左巻きが3種あった。原繊維間の横方向の変異は右巻きが10種に対し、左巻きは1種のみであった。αチューブリンのGTPase活性化領域の変異も二種あり、これらは右巻きの表現型を示した。
 現在これらのねじれチューブリン変異株に関して表層微小管の配向や動態の観察を進めている。
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© 2004 日本植物生理学会
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