日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ヒメツリガネゴケにおける微小管およびアクチン繊維のダイナミクス
*佐藤 良勝長谷部 光泰和田 正三門田 明雄
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p. 352

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抄録
微小管およびアクチン繊維は植物の発生、形態形成に深く関わっている。ヒメツリガネゴケは、体制が単純であり細胞分裂や細胞伸長などの様々な現象を一層の細胞層の組織で観察できるため、各々の現象に伴う細胞骨格の動態の解析に非常に適している。また、相同遺伝子組み換えにより外来遺伝子をゲノム内の特定の領域に挿入することができ、導入遺伝子の働きを再現性良く解析できる。我々は、ヒメツリガネゴケにおける微小管およびアクチン繊維の動態を調べるため、GFPとヒメツリガネゴケのα-tubulinとの融合コンストラクト(GFP-α-tubulin)、およびGFPとマウスのアクチン結合タンパク質タリンのアクチン結合ドメインとの融合コンストラクト(GFP-talin)を作り、イネアクチンプロモーター下で発現させた。挿入部位は、HD-Zip 遺伝子の一つであるPphb7 遺伝子領域を用いた。Pphb7遺伝子は発現および機能解析が詳細に行われており、仮根以外の組織では発現が認められず遺伝子破壊株の表現型も仮根以外には認められない。したがって、この部位にレポーター遺伝子が挿入された株は、仮根を除く全ての成長過程で微小管およびアクチン繊維の動的な変化を生体観察できる。本発表ではヒメツリガネゴケ配偶世代において見られる様々な現象(細胞分裂、先端成長、葉緑体運動など)に伴う微小管およびアクチン繊維の動態を報告したい。
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© 2004 日本植物生理学会
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