日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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サブストレイト・トラップ法を用いたハイスループット酵母ツーハイブリッドスクリーニングによるシロイヌナズナのカルシウム依存性プロテインキナーゼの基質および相互作用タンパク質の単離
*宇野 雄一Eileen A. MaherJohn C. Cushman
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p. 476

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抄録
酵母ツーハイブリッド法によりCDPK(カルシウム依存性プロテインキナーゼ)の基質と相互作用タンパク質の網羅的スクリーニングを行った。ベイトとして、シロイヌナズナCPK4のwild type, 非活性型、恒常的活性型、およびそれらの組み合わせの計6種類を用い、2種類のプレイライブラリから計約1800万クローンのスクリーニングを行った。その結果、相互作用を示した150種類370個のクローンを単離した。このうち8クローンのcDNAを用い、大腸菌内で発現させたGST融合タンパク質を用いてin vitroリン酸化実験を行ったところ、3種類のタンパク質がCDPKによってリン酸化されることが明らかになった。これら3種類のcDNAは、Zn-finger型転写制御因子をコードし、ABA非依存的に乾燥ストレスによって誘導されるDi19(Gosti et al., 1995)、葉緑体外包膜に存在し、タンパク質の受容体として働くGTPaseをコードするatToc33(Jelic et al., 2003)、およびSerine Rich Proteinをコードしている機能未同定の遺伝子であった。これら3種類のcDNAは、wild typeではなく、恒常的活性型のCDPKをベイトとして用いた場合に限って単離できたことから、サブストレイト・トラップ法が基質タンパク質をコードするcDNAのスクリーニングに有効な方法であると示唆された。
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© 2004 日本植物生理学会
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