日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

メタボローム解析によるストレス耐性と代謝予測
*林 光紀高橋 秀行堀田 雄司内宮 博文
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 496

詳細
抄録
我々はイネのOsHCTR (NADPH-dependent HC-toxin reductase)遺伝子を高発現するイネを作出した。OsHCTR形質転換体は生物的、非生物的ストレスに対して耐性を示すことは既に報告した。昨年度の本大会において、我々は本遺伝子の高発現がNAD(P)(H)量の増加ならびに、NAD合成酵素活性の上昇に起因することを報告した。今回我々はトウモロコシのHm1遺伝子(OsHCTR遺伝子と相同遺伝子)突然変異系統を用いて、代謝物の変化とストレス耐性について調べた。その結果、Hm1劣性変異系統ではNAD量が減少し、H2O2などのストレスに対して弱勢を示すことを見出した。同時にNAD合成系路の出発物質と考えられるアスパラギン酸の変化も示された。hm1 / hm1植物ではアスパラギン酸が蓄積することで、NAD合成系路の代謝活性の低下が示唆された。このことより、Hm1OsHCTR両遺伝子は機能的に類似し、植物の生体防御機能に関与することが示唆された。
著者関連情報
© 2004 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top