日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
Fitzgerald分類4型にEVARを施行した2例
稗田 哲也 杉木 孝司上久保 康弘高平 真
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ジャーナル オープンアクセス

2017 年 26 巻 6 号 p. 301-305

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抄録

当院では破裂性腹部大動脈瘤(rAAA)・腸骨動脈瘤(rIAA)に対してEVARを第一選択としている.血行動態が比較的安定したFitzgerald分類4型に対してEVARにより救命し得た2例を経験した.症例1:85歳男性意識消失で救急搬送され,Fitzgerald分類4型のrIAAと診断,Rutherford分類レベル2の血行動態を示した.EVARを施行し血行動態は安定した.術後肺炎を併発したが,術後58日目に独歩退院となった.症例2:69歳男性.意識消失で救急搬送され,Fitzgerald分類4型のrAAAと診断,Rutherford分類2型の血行動態を示した.EVARを行い血行動態は安定,術後11日目に独歩退院となった.血行動態の安定したFitzgerald分類4型には,EVARが有効である可能性が示唆された.

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