日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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Synechocystis sp. PCC 6803の酸化ストレスに応答する複数の転写因子とその標的遺伝子の同定
小林 真理片山 光徳*池内 昌彦
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p. 500

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抄録
われわれは酸化ストレスによるSynechocystis sp. PCC 6803の遺伝子発現への影響を、マイクロアレイを用いて網羅的に調べ、酸化ストレスに応答するレギュロンの同定を進めている。これまでに、メチルビオロゲン+光処理によってsll1621の発現が顕著に誘導されること、Sll1621はペルオキシレドキシンと相同性があること、sll1621破壊株は強光下、またはメチルビオロゲン存在下では増殖できないことを示してきた。これらはSll1621が2型ペルオキシレドキシンの一種であることを示唆している。ゲノム上sll1621の上流には転写因子slr1738が位置しており、発現・精製したSlr1738がsll1621の上流配列に特異的に結合することもすでに示している。今回は、マイクロアレイのさらに詳細な解析から、標的遺伝子と考えられるslr0589sll1620を見出し、転写因子Slr1738がそれらの上流配列に結合することを確認した。さらに、酸化ストレスに応答する遺伝子slr0074slr0075のセットの上流にコードされる転写因子Sll0088を発現精製し、gel mobility shift assayによってslr0074の上流配列に特異的に結合することを示した。発表では、これらの転写因子が制御する遺伝子の破壊株の表現型とその発現調節について議論する。
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© 2004 日本植物生理学会
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